こんにちは
グラフィックファシリテーター®やまざきゆにこです。
上の絵を描いたのは、今年2016年6月。日本能率協会さまで毎年お手伝いしている幹部候補養成コースにて。大手企業の幹部候補のみなさんが「経営者としての覚悟を決める」というテーマのもと、ものづくりの未来や自社の未来を話し合った日でした。
いつものように「組織で感じているモヤモヤ(現状のネガ)」を語り合った後に、「その状態を放置したらどんな最悪な未来が待っている?」という問いから描けたのがこちら。(未来のネガ)「暴走するAIを止められず、人間も、地球も丸ごと飲み込まれてしまう」というAIが引き起こすかもしれない最悪な未来の絵。上の絵の前に描けていたのが下の絵。「AIに働かされるどころか、リストラされるという絵」です。
↑絵の左下に3つのシカクイ頭のロボットのような絵は「(現状のネガ)言われたことだけをこなす部下」を放置した(最悪な未来)「頭を使う必要なくなった部下たち」という話から「機械みたいだな」と思わってとっさに描いちゃった絵です。
この後、これらの絵を振り返ったみなさんは「こんな最悪な未来(ネガ)にしないために、どんな未来ビジョン(ポジ)を描くか」と対話を進めていきました。この「ネガからポジへ」絵巻物に対話が描けるようにワークショップを設計し、ご支援しているのがグラフィックファシリテーションの現場なのですが。
この「AIが暴走するかもしれない」という絵。今年に入ってから、他の会議やプロジェクトでも本当によく描くようになりました。時代の大きな変化を、毎年、絵巻物の上で感じているわけですが、今年は間違いなくこの絵ですね。
そう感じていた折、日経新聞でも下記の記事を発見しました。(2016年9月30日付 朝刊より)「AI暴走」はとっくにグローバルでは共通の問題意識であり、危機感であり、すでに対策へと動き始めていました。ということは、、、日本企業の対応の遅れが気になる記事にも読めました(涙)。
「ビジョンを描きたい」という話し合いの場が、どの企業も当たり前になってきましたが、何より大事なのは「何のためにビジョンを描いたのか」。その答えはこの日経新聞の記事が教えてくれているように、「みんなで力をあわせて未来行動をいち早く起こせる」かどうか。
ネガポジの反転をすれば「その企業らしいAI」や「日本らしいAI」の姿は描けてくるけれど、モヤモヤが明らかになったとき、それでもモヤモヤをそのままにしておくのか、即行動に移すのか。グローバル企業はすでに何歩も先を歩いています。一人一人が未来行動を起こしていく「絵空事で終わらない」話し合いを絵筆で尽力したいです。
それにしても、、、まだまだこのAIって絵筆的にはアヤシイんです!具体的な絵に描けない!!!「オバケみたいな得体のしれないもの」にしか描けないのでモヤモヤしています。ちなみに絵巻物の上では「具体的な絵に描けない言葉」というのは「悪いサイン」だけでなく「良いサイン」もあります。1つは「具体的によく分かっていないのに安易に使って議論しているビッグワード」のサイン。もう1つは「人々が魅了されて追い求めたくなる言葉」というサイン。ただどちらも曖昧なままではいつまでたっても絵空事。もう少し具体的に描きたいなー(具体的に話し会ってもらうには、どうしようかな)。